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芥川賞に石沢氏と李氏、直木賞に佐藤氏と澤田氏

(更新)

第165回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が14日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は石沢麻依氏(41)の「貝に続く場所にて」(「群像」6月号)と李琴峰氏(31)の「彼岸花が咲く島」(「文学界」3月号)に決まった。直木賞は佐藤究氏(43)の「テスカトリポカ」(KADOKAWA刊)と澤田瞳子氏(43)の「星落ちて、なお」(文芸春秋刊)。贈呈式は8月下旬に都内で開かれ、受賞者には正賞の時計と副賞100万円が贈られる。

石沢氏は宮城県生まれで現在はドイツ在住。今年の群像新人文学賞を受賞したデビュー作での芥川賞受賞が決まった。作品はドイツに住む女性が主人公。東日本大震災の津波で行方不明になった友人の「幽霊」と出会い、震災の記憶と向き合う。石沢氏はドイツからオンラインで記者会見に臨み「新人としては破格の恵まれた状況にあると同時に、試されている」と率直に語った。

李氏は台湾生まれで、母語が日本語以外の作家として2人目の芥川賞受賞者となる。「一作ごとに日本文学をアップデートしてきた自負はある」と述べた。受賞作はある島の少女と漂着した少女の交流を描写するなかで、女性しか継承を許されない島の歴史を明らかにしていく。

選考委員の松浦寿輝氏は「石沢さんの作品は、自分自身の個性的な文章をつくろうとする強い志向が評価された。李さんの受賞はグローバル化時代に歴史的な意義がある」と述べた。

佐藤氏は福岡市生まれ。直木賞には初めての候補で受賞が決まった。受賞作はメキシコの麻薬カルテルに君臨した密売人と、臓器売買に巻き込まれる日本の少年を中心に展開。過激な暴力描写に、アステカの神話的要素を印象的に織り交ぜた。「何事もやってみないと分からないという気持ち」と喜びを語った。

澤田氏は京都市生まれ。直木賞には5回目の候補で受賞が決まった。受賞作は天才絵師・河鍋暁斎の娘、暁翠が主人公。明治から大正の激動の時代に家を背負い、ひたむきに画業に励む女性を活写した。会見では今後の抱負を問われ「自分自身に対して真面目に書き続けることしかない」と静かに述べた。

選考委員の林真理子氏は「佐藤さんの作品は暴力シーンも多いが、ある意味で希望の物語。澤田さんは熟練の技。エンタメとしての技量がある」と評した。

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