いつもの美容師さん ノンフィクション作家 佐々涼子
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お世話になった美容師さん、エノキさんがほかの店に移るという。5年間お世話になったのでちょっとショックだ。いなくなるなんて思わなかったので不意打ちである。思えばエノキさんが私の髪を定期的にカットしてくれた年月、実にいろいろなことがあった。
2人の子どもが結婚し、式のために髪の毛をセットしてもらった。友人が亡くなるまでを描いた『エンド・オブ・ライフ』を取材中、動揺する心を抱えて、何度もあの美容室の椅...
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