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孤独なメイドと上流階級の恋 ブッカー賞作家の小説映画化

天涯孤独の少女が秘密の恋を経験し、小説家に……。映画「帰らない日曜日」(5月27日公開)は、第1次世界大戦後の英国でメイドとして働く女性と、戦争で喪失感を抱えた上流階級の人々を描く。ブッカー賞作家のグレアム・スウィフトの原作小説を、フランス出身の女性監督エヴァ・ユッソンが映画化した。

「父を亡くした直後に原作小説を読み、大切な人を失った登場人物たちの心の痛みが自分と重なった」とユッソン監督。「痛みや苦しみを作品に昇華し、受け手の感情に訴えかけるのは芸術の重要な役割。この小説を映画化したらきっといい作品になると直感した」と振り返る。

1924年の英国。児童養護施設で育ち、ニヴン家のメイドとして働くジェーン(オデッサ・ヤング)は近隣のシェリンガム家の跡取り息子ポール(ジョシュ・オコナー)と秘めた恋愛関係にあった。シェリンガム家で唯一生き残った息子であるポールは、家を存続させるためにも名家の娘エマと結婚しなければならない。メイドが年に一度だけ里帰りできる母の日に、密会を楽しむジェーンとポール。後年、有名小説家になったジェーンが母の日を回想しながら物語は展開する。

「20世紀初めの上流階級は感情の抑制を求められ、ポールやエマは経済的には豊かでも束縛が多い。失うものがないジェーンは彼らより自由に生きている」とユッソン監督。戦争の影響で階級社会に変化の波が押し寄せる中、ジェーンはメイドから書店員、小説家へと仕事を変える。自ら仕事を選び経済的にも豊かになるジェーンの歩みは、女性を取り巻く社会の変化も反映しているようだ。

若き日のジェーンとポールの官能的なシーンに、若手俳優2人が体当たりで挑んだことも見どころだ。「性的な場面というと衝動や情熱に重点を置いて表現されることが多いが、私は信頼によって互いに身を委ねるようなラブシーンを描きたいと思った」という。出演はほかにコリン・ファース、オリヴィア・コールマンほか。

(関原のり子)

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