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囲碁全対局、AIでデータに 日本棋院が自動記録システム

囲碁の公式戦の棋譜(対局の記録)を自動で作成するシステム「KIFU361」の稼働が4月から始まった。対局場の天井にカメラを埋め込み、映像を基に人工知能(AI)が自動で棋譜を作成する。日本棋院の公式戦の対局数は年間4000局以上あるが、これまでは約6割の対局しか棋譜が残されていなかった。データベース化された棋譜を、新たなサービスに活用することも検討する。

「KIFU361」はケーブルテレビの放送などを手掛ける囲碁将棋チャンネルが開発した。持ち時間1時間以下の早碁やカメラが設置されていない場所での対局、タイトル戦の本戦や挑戦手合など記録係がつく対局を除き、日本棋院で行う全ての対局が対象となる。

将棋界でも記録係の人手不足を背景として、2020年5月からAIによる棋譜作成システムが導入されていた。「KIFU361」は20年1月から準備を開始。開発に取り組んだ担当者によると、当初は画像から線分を認識する方法を試したがうまくいかず、AIを使った方法に切り替えたという。

天井に埋め込むカメラや自動生成を担うサーバーは、パソコンショップを展開するサードウェーブが提供した。同社の担当者は「日本の棋士が再び世界一を取り戻してほしい。若い棋士には記録係などの事務仕事ではなく、碁の勉強に力を割いてほしい」と協賛を決めた理由を語った。

原則全ての公式戦がデータベース化されることとなり、棋士の研究に生かすことも期待される。日本棋院によると、まだ具体的な案は出ていないものの、将来的には棋譜を利用したサービスも検討したいという。

(北村光)

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