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同性パートナー亡くした青年の愛の行方 台湾映画公開

家族とは何か。台湾映画「親愛なる君へ」(7月23日公開)は、同性パートナーを亡くした後も彼の家族の面倒を見続ける青年の姿を通して、血のつながりを超えた人間関係のありようを問いかける。「愛した人の家族の面倒をみるのは、異性婚なら普通と受け止められるだろうが、同性パートナーとなるといまだ偏見の目を向けられかねない。だが、大切な人の家族を愛する気持ちは、両者とも本質的に変わらないと思う」とチェン・ヨウジエ監督は語る。

青年リン(モー・ズーイー)は、亡くなったパートナー、ワン(ヤオ・チュエンヤオ)の家に間借りしながら、ワンの遺族である年老いた母(チェン・シューファン)と幼い息子(バイ・ルンイン)の世話をしている。彼らを愛することは、ワンを思い続ける方策であり弔いでもあった。だが、母親が急死すると、死因を巡ってリンに疑いの目が向けられる。物語はサスペンスの要素を交えながら展開する。

チェン監督が脚本を書き始めたのは2018年。当時、台湾では同性婚についてさまざまな論争が起きていたという。「論争によって同性婚に対する偏見や圧力が表に出てきた。一方、諦めずに『愛する権利』を求める人たちがいて、彼らの姿に感動した。人を愛するとは何か、家族とは何か。考えさせられた」と執筆の発端を語る。

リンが間借りしている家は港町である基隆にあり、リンと生前のワンが愛した場所は登山で訪れた山々。映画はこの2つの場所を主な舞台にしている。いろいろな船が住む家を求めるように港に停泊する様子は「家庭や家族を求める主人公の気持ちと重なる」という。一方の山は「同性愛者もストレートの人も自然の中では平等。本当の自分になれる場所」との思いから選んだ。「台湾ではこの映画を製作中の19年に同性婚が合法化したが、偏見はまだある。その根源には知らないものに対する恐怖心があると思う。日々の生活や教育、文化を通して少しずつ理解していくことが大切で、この映画がその役に立てるとうれしい」とチェン監督は話す。

チェン監督は1977年、台南生まれ。日本で生まれ育った父と幼いころから日本語で会話していたことから流ちょうな日本語を操る。大学時代から映画づくりを始め、俳優としても知られる。「今後、台湾の歴史を題材にした作品やSF作品などを手がけてみたい」と意欲をみせた。

(関原のり子)

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