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劇作家・松井周、演劇×ダンスの不条理劇 排除社会映す

新作「導かれるように間違う」が10~18日、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)で上演される。「自分にもどうにもならない『自分』を、排除されそうになる今の社会」を映し出す作品だ。同劇場の芸術監督でダンサー・振付家の近藤良平に「演劇とダンスを融合させた不条理劇」を依頼されて書き下ろした。演出は近藤が担う。

舞台は病院。「自分の背後を、自分の前だと思う」など、変な「癖」のある人たちが矯正されていく。主人公は記憶がなく、病院内をさまよう。「矯正は暴力的な行為だが、見方を変えれば普通の生活ができるようにする大義名分がある。簡単に言えば主人公の『自分探し』。といっても前向きな話にはおさまらない」。治療内容は、ある人間の行動をまねること。「適応を過剰に求められる社会」の恐ろしさをあぶり出す。

1972年生まれの49歳。岸田国士戯曲賞を受賞した「自慢の息子」をはじめ、一貫して人間の嫌な部分に焦点をあてるのは「人間の価値を下げたい」から。「だらしなくてデタラメでネガティブと捉えられる欲望ももっているし、お酒やたばこなどやっちゃいけないこともやってしまう。でも、それでいいと思う。人間の存在そのものが面白いということを提示したい」

大学卒業後、平田オリザ主宰の「青年団」で俳優となり劇作も始めた。平田からの印象的な一言が「演劇があって本当に良かったね」。どこか危うい雰囲気が漂っていたのだろう。だからこそ自分のように「妄想が肥大化した人」や「ひどい現実に遭遇している人」に作品を届けたいという。ふと立ち止まることで救われる人がいてほしいとの願いが根底にある。

(佐々木宇蘭)

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