「在来豆」に世界の食文化が見える
60カ国以上で飛び込み調査、人々結ぶ作物の魅力発見 長谷川清美
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豆はいにしえから、世界各地の食卓に並んできた。種をまき、育て、食べる。種が知人や友人の手に渡り、受け継がれていく。それぞれの地域で脈々と栽培されてきた在来豆は、人と人のつながりを映す「関係性の作物」だ。10年ほど前から、60カ国以上の豆食文化を訪ね歩いてきた。
私は1926年に北海道遠軽町で創業した在来豆専門店「べにや長谷川商店」の長女に生まれたが、子どものころから豆に親しんでいたわけではない。...