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ムーミン生みの親トーベ・ヤンソンの若き日を映画に

映画「TOVE/トーベ」(C)2020 Helsinki-filmi,all rights reserved

世界的な人気キャラクター、ムーミンの作者トーベ・ヤンソン(1914~2001年)とはどのような人物だったのか。映画「TOVE/トーベ」(10月1日公開)は、彼女の若き日に着目し、芸術家としての葛藤と愛する人たちとの関係を描いている。トーベと同じフィンランド出身のザイダ・バリルート監督は「トーベの若いころは母国でもあまり知られていない。伝説ではなく、リアルな人物像を描こうと心がけた」と話す。

著名な彫刻家の父とイラストレーターの母との間に生まれたトーベは、第2次世界大戦後、画家として創作活動に打ち込む。厳格な父や保守的な美術界と合わず、満たされない日々が続く中で、自分を慰めるように描いていたムーミンが思いがけず評価される。葛藤を抱えながらも芸術家仲間とパーティーで集い、ムーミンの物語に登場するスナフキンのモデルといわれる男性や、舞台演出家の女性とそれぞれ恋愛関係になる様子も描かれる。

演出中のザイダ・バリルート監督

監督がこの時期のトーベに興味を抱いたのは「ベストな作品を生み出していなかったから」という。「彼女の絵画をみると、なぜかこの時期のものだけ物足りない。偉大な画家になろうと懸命になっていたが、先に副業の位置づけだったムーミンで認められた。こうした事情と何か関係があるのではないか。映画で掘り下げてみたいと思った」

監督の目に映るトーベは「慣例にとらわれず、知的で聡明(そうめい)。恋愛となると夢中になって飛び込んでいく」人物だ。「当時は危険なことだったヒトラーやスターリンの風刺画を描いたこともある。決して揺るがない価値観を持ち、信念があったからこそ失敗しても立ち上がることができた」。心優しいムーミントロールと家族や仲間たちが登場するムーミンの物語は「自分の理想を描いたのではないか」と見る。「トーベはムーミン以外にもすばらしい作品を残した。マルチな才能を持った彼女を知るきっかけになれば」と監督は話している。

(関原のり子)

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