滝久雄 私の履歴書(21)提携と後継
ぐるなび創業者
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一から育てた企業の上場は感慨深かったが、想定外のこともあった。株式公開前の2004年から6年間、代表権を持てなかったのだ。非上場企業のNKBが大株主だったことが問題とされ、代表権のない取締役会長になった。
この頃に考えていたのがハウスカード。「外食カードはぐるなび」そんなフレーズも頭にあった。リスクについてもわかっていたが、それに挑戦できなかったのは残念だった。
10年に代表に戻ってからは、一層...

飲食店検索サイト「ぐるなび」創業者の滝久雄さんはベンチャー起業を目指したのが27歳のとき。「ぐるなび」のサービスを始めたときは56歳だったので遅咲きの経営者のように見えますが、その間に父親から引き継いだ鉄道広告の会社と鉄道文化向上のための財団法人を舞台に、様々な挑戦を続けてきました。最大の成果が、平山郁夫氏ら著名画家の原画によるステンドグラスや陶板レリーフ作品を駅などに設置するパブリックアートの普及です。趣味の囲碁では男女のペアで打つ「ペア碁」を創案。中小の外食店舗を支援し食文化の発展に寄与する「ぐるなび」を含め、文化を維持・発展させるビジネスモデルづくりに成功してきました。