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文学座、岐阜医療科学大と提携 対話力ある薬剤師を育成

老舗劇団の文学座と岐阜医療科学大学が提携を結び、同大薬学部(岐阜県可児市)のカリキュラムに演劇ワークショップを取り入れる。高齢化社会を見据え、地域の高齢者と接する薬剤師育成を目指して学生のコミュニケーション能力を磨くのが狙いだ。「老い」や「医療」が演劇界のキーワードになりつつある。

ワークショップでは、文学座所属の演出家、西川信広を中心に俳優らを大学に派遣する。見えないなわとびを跳んだり、言葉をつかったゲームをしたりしながら、「人の話を聞く」「相手に心を開く」という役者の基礎とも通じる能力を鍛えるという。患者への接し方をロールプレーして学生同士で批評し合うなど、実践的な内容も想定する。今後、看護学部での導入も検討する。

同大の山岡一清学長は「これからの薬剤師は患者との対話が大事になる」と話す。高齢者の自宅に薬を届けることもある薬剤師は、患者の情報を知る立場として地域のつながりへの貢献も求められる。劇団にとっても「質の高い演劇を提供することはもちろんだが、教育や医療への貢献が重要なテーマになってくる」と西川はみる。

同劇団はこれまでも、可児市文化創造センターの協力のもと、岐阜県内の高校でワークショップを開いてきた。中途退学や問題行動が大幅に減る成果につながったという。同センターの衛紀生シニアアドバイザーは「劇場や劇団の社会的・経済的な価値が問われている。こうして社会とつながりを持つことは、俳優にとっても、演劇は不要不急のものではないという矜持(きょうじ)になる」と語る。

「老い」を巡っては、老人ホームでの暮らしをバーチャル体験できる日英共同作品「The Homeオンライン版」(埼玉県芸術文化振興財団企画・制作)も公開されている。培ってきた経験や技法を生かし、社会とどうつながるか。演劇界にとって重要な論点になりそうだ。

(北村光)

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