ゴルバチョフへの問い 名古屋外国語大学長・亀山郁夫
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元ソ連大統領ゴルバチョフの訃報を、旅先で知った。感慨は薄く、時の流れの残酷さを改めて思い知らされた。はるか昔、彼が登場する以前のロシアでスパイ容疑を受け、勾留された過去がある私にとって、ゴルバチョフ改革の成否は、私自身の将来とも深く関わる問題だった。それならば、もう少し感慨深い何かがあって当然だった。
ソ連トップとしての短い在任期間中、世界政治に彼が果たした役割は、計り知れぬものがある。けれど、...
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