坂本龍一さん死去、71歳 YMO・「ラストエンペラー」

映画「ラストエンペラー」で日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞し、世界的に活躍したミュージシャンの坂本龍一さんが3月28日に死去した。71歳だった。葬儀は近親者で行った。マネジメント会社などが発表した。
東京都出身。東京芸術大学大学院在学中にスタジオミュージシャンとして活動を始め、山下達郎さん、大貫妙子さんらの作品に参加する。
1978年に細野晴臣さんの誘いを受け、高橋幸宏さんとともにイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成。シンセサイザーを駆使し、「テクノポリス」「ライディーン」などの曲で大ヒットを飛ばす。YMOはいったん解散するが、その後何度か再結成し断続的に活動していた。
83年に大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」に日本陸軍の大尉役で出演すると同時に音楽も手掛け、大きな話題を呼んだ。87年にはベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラストエンペラー」に甘粕正彦役で出演し、再び音楽も担当。アカデミー賞でデヴィッド・バーンさん、蘇聡さんと3人で作曲賞を受賞した。その後も「レヴェナント:蘇えりし者」など多数の映画音楽を手掛ける。
90年に活動拠点を米ニューヨークに移し、国際的に活躍。現代音楽、ボサノバ、オペラなど様々なジャンルの音楽を取り入れ、30作以上のソロアルバムを発表した。テレビやラジオなどメディア出演も多く「教授」の愛称で親しまれた。
功績が評価され、09年にフランス政府から芸術文化勲章「オフィシエ」を授与された。10年には芸術選奨文部科学大臣賞に選ばれた。
社会活動にも積極的で地雷除去活動のチャリティーなど、様々な環境・平和運動に携わった。2014年には中咽頭がんが見つかり克服するが、21年に直腸がんの手術を受け治療を続けていた。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)