幕末の「長州砲」追い求めて 下関戦争で英仏蘭米が接収
郡司健(大阪学院大総合学術研究所所長)
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幕末の1864年、長州藩は下関に来襲した英仏蘭米4カ国の連合艦隊と交戦して敗れた。前年の戦いと合わせて「下関戦争」と呼ばれる。連合艦隊は戦利品として長州藩の青銅製大砲を接収、各国に分配した。
今も世界に数門が残るこれら長州砲(下関砲)の探訪を始めて20年になる。私の祖先は大砲の運用を担う「砲術」の5家と、鋳造所の2家に分かれて長州藩主・毛利家に仕えていた。鋳造所のひとつを継いだ高祖父、郡司富蔵信...