/

猫と鉄条網 横浜でウクライナ港湾都市オデーサの写真展

悠々と猫が歩く砂浜。のんびりした日常かと思いきや、海岸線には鉄条網と障害物で軍隊の侵攻を防ぐバリケードが築かれており、緊迫感がみなぎる。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後、南部の港湾都市オデーサ(ロシア語でオデッサ)で撮影された写真だ。何気ない1コマの中にも、戦争のただ中にある現地の雰囲気が伝わる。

横浜ユーラシア文化館(横浜市)で開催中の「姉妹都市オデーサに思いを」は侵攻前後のオデーサの様子を伝える写真展だ。横浜市と姉妹都市であるオデーサの写真37枚を展示する。大半は侵攻前のオデーサの写真だが、路上に積まれた土のう越しにオペラハウスが写っていたり、ブランコの向こうに障害物が並んでいたりと、侵攻に備える様子もある。

オデーサは首都キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)に次ぐウクライナ第3の都市だ。黒海に面した交通の要所で、15世紀にオスマン・トルコが建設した集落が直接の起源とされる。18世紀の露土戦争によってロシア領に編入され、エカチェリーナ2世が港湾都市に作り替えた。クリミア戦争や第1次世界大戦で大きな被害を受け、第2次世界大戦でもドイツ・ルーマニア軍とソ連軍が激戦を繰り広げた。横浜市はともに戦火から復興し、港湾都市として発展してきた共通点をふまえ、1965年に姉妹都市として提携した。

映画好きには「映画史上最も有名な階段」といわれる「ポチョムキンの階段」でなじみ深いかもしれない。サイレント映画「戦艦ポチョムキン」で、架空の市民虐殺事件の舞台となった階段はオデーサにあり、本展には同階段で巨大なウクライナ国旗を広げる「国旗の日」の様子が展示されている。ほかにも美しいパサージュや晴れやかな結婚式など侵攻前の風景が並ぶ。

出展作家の1人、オデーサ在住のオレグ・クツキー氏は「毎日のように警報が鳴り、攻撃が続いている。外出禁止令が出ていて外に出ることもできない。ウクライナで起きていることは他人事ではない」とした上で、「今は1人でも多くの人に写真を見てもらい、事態が落ち着いたら是非オデーサに来てほしい」と話した。

5月29日まで。有料エリアの観覧料は一般200円。観覧料はウクライナ避難民の人道支援に寄付する。

(岩本文枝)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン