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野村萬斎「能狂言を作り直す」 能楽堂を離れ劇場で公演

「能楽堂は入りにくい場所だと思っている人もいる。地域の劇場で公演をすることで、狂言の面白さに気付いてほしい」。芸術監督を務める世田谷パブリックシアターで2004年から、舞台芸術として狂言を捉え直すシリーズ「狂言劇場」を企画してきた。第9弾となる今回は古典狂言に加え、現代狂言の「法螺(ほら)侍」「鮎(あゆ)」を上演し「古典芸能のアップデート」に挑む。

「伝統芸能としてリピートするだけでは、博物館行きになってしまう」と危機感を持つ。能楽堂を離れることは、演じる側の刺激にもなる。「例えば劇場では、昼夜を意識しなくては照明が作れない。能狂言を解体して、"お芝居"として作り直すことにつながる」

シェークスピアを原作とした現代狂言「法螺侍」は、これまで父の万作が演じてきた洞田助右衛門に挑む。自身が勤めてきた太郎冠者は、息子の裕基が引き継いだ。「新作は型を作りつつも、演じる人間を生ききらなくては埋められないものがある。何が足りないのかと考える創作の作業は、古典にも必要だと分かってほしい」

所属する「万作の会」は狂言の普及にデジタル技術を活用するため、NTT西日本と連携協定を結んだ。「体の重心など、これまで先生を主観でコピーしていたものが数値で分かるようになる」と伝承での活用に関心を寄せる。

いま55歳。21歳の裕基を教えることで「分身を見ているように、自分を客観視できる」。万作は公演中に90歳を迎える。「3代が共に舞台に立つ状況はほんのわずか。伝統芸能を引き継ぐとはどういうことなのか、見てもらうチャンスだ」。27日まで。

(のむら・まんさい=狂言師)

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