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室町のポップスター、アニメに 「犬王」湯浅政明監督

枠にはまらぬ創造力で、アニメーション映画の可能性を切り開いてきた。「実写映画でも(立体的な)3Dアニメでもなく、手描き2Dアニメの可能性をいつも考えてきた。2Dアニメは描く人の思いが絵に表れる。同じレイアウトなのに、ちょっとした描き方の違いでガラッと雰囲気が変わる。そこが面白い。涙でぬれた瞳から見えるゆがんだ景色も2Dアニメならうまく描ける。この手法ならではの表現を追求したい」と目を輝かす。

異形の能楽師と盲目の琵琶法師が主人公の新作「犬王」(公開中)は、古川日出男の原作小説「平家物語 犬王の巻」を大胆にアレンジ。2人を室町時代のポップスターに仕立てたミュージカルアニメだ。ロックバンドさながらに琵琶をかき鳴らし、ブレイクダンスのような踊りで民衆を熱狂させる。「扇動し鼓舞する音楽といえばロック。それを当時の楽器で演奏したら、と考えているうちにこうなった。歴史に残っていないだけで、いろいろな弾き方をした人はいたはず」。マイケル・ジャクソンや陸上選手カール・ルイスの動きもモチーフにした。

「小説をなぞるのではなく、読後につかんだイメージを映像化する」と言い、「難しい題材であるほど燃える」とも。少数派に目を向けた作品が多く、今回の主人公も主流からはみ出した若者だ。「彼らは互いを認め合い報われた。自分も少数派という認識があり、そういう人たちを認めたいという気持ちがある」

1965年生まれ。「夜明け告げるルーのうた」(2017年)で世界的に注目された。斬新でとがった作風の監督といわれるが「とがりつつ、多くの人に理解してもらう作品をつくりたい」。(ゆあさ・まさあき=アニメーション監督)

(関原のり子)

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