紙芝居と鳥獣戯画 行動学者 細馬宏通
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以前、保育園におじゃまして紙芝居を園児たちと観(み)たとき、保育士さんの絵の扱いがじつに巧みで驚いてしまった。
ただ機械的に次の絵をめくるのではない。絵に描かれたおじいさん、おばあさん、鬼の配置をうまく使って、前の紙で後ろの紙の一部を隠して見せる。たとえば、右側でおじいさんがしりもちをついている。左側は隠しておく。「だ、誰?」「鬼!」と何人かが飛び出すように答える。どうやら何度か語られた話らしい...
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