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ダ・ヴィンチ最後の絵画に迫る映画 巨額取引の裏を暴く

2017年、レオナルド・ダ・ヴィンチ最後の絵画とされる「サルバトール・ムンディ」は、オークションで史上最高額となる510億円で落札された。購入者は誰か、本当にダ・ヴィンチの作品なのか。映画「ダヴィンチは誰に微笑(ほほえ)む」(11月26日公開)は、絵画に秘められた謎をひもときながら、巨額取引の裏を暴くドキュメンタリー映画だ。ジャーナリストとしても活躍してきたアントワーヌ・ヴィトキーヌ監督は、「一つの文化財をめぐり、世界のあちこちで同時に起こった様々な動きをあぶりだしたかった」と言う。

物語は05年、ニューヨークの美術商が13万円で絵画を落札するところから始まる。100年以上行方不明だったこの絵が見つかったのはニューオーリンズの民家だった。11年、専門家の鑑定を得てダ・ヴィンチの真作としてロンドンのナショナル・ギャラリーで展示されたのをきっかけに、世界中の様々な人物が一枚の絵画をめぐって複雑に絡み合う。

映画には、手数料をだまし取る仲介者やダ・ヴィンチ研究家、サウジアラビアの皇太子など、関わった重要人物のほとんどが登場し、それぞれの主張を述べていく。監督は「外交や政治の要素が関わる分、インタビューの難しさはいつも以上だった」と撮影を振り返る。

取材を通じて「芸術作品が投機対象として値上がりし、経済的な価値が芸術的な側面を超越していくことに衝撃を覚えた」という。「作品の値段がつり上がると、美術館は買うことができなくなり、一般の人の目に触れなくなってしまうかもしれない」と懸念を示す。

国際問題も絡む難しいテーマだったが、ミステリー仕立てで描くことで誰もが楽しめる映画になるよう心がけた。一方で、SNS(交流サイト)などを通じてフェイクニュースが飛び交う今、本作を「真実とは何かを考えるきっかけにしてほしい」との思いがにじむ。「真実は人によって作られていく一面がある。今回の絵画の場合ではどうか、考えながら見てもらえたら」

(河井萌)

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