滝久雄 私の履歴書(18)情報化戦略
ぐるなび創業者
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何か情報系の新しいメディアを作り出せないか――。ベンチャーを目指したときから強い思いを抱いていた。
私は勉強のために何人かの専門家に話を聞きに行った。伊藤忠商事でシステム開発を担当していた鈴木勇作さん、京浜急行電鉄で定期券の自動発券装置を開発した大石英夫さんらだ。話を聞いてコンピューター全盛時代の到来を確信する一方で、彼らはコンピューターネットワークの事業化は時期尚早とも言った。「電電公社(現N...

飲食店検索サイト「ぐるなび」創業者の滝久雄さんはベンチャー起業を目指したのが27歳のとき。「ぐるなび」のサービスを始めたときは56歳だったので遅咲きの経営者のように見えますが、その間に父親から引き継いだ鉄道広告の会社と鉄道文化向上のための財団法人を舞台に、様々な挑戦を続けてきました。最大の成果が、平山郁夫氏ら著名画家の原画によるステンドグラスや陶板レリーフ作品を駅などに設置するパブリックアートの普及です。趣味の囲碁では男女のペアで打つ「ペア碁」を創案。中小の外食店舗を支援し食文化の発展に寄与する「ぐるなび」を含め、文化を維持・発展させるビジネスモデルづくりに成功してきました。