フロンティアは人の内面に 入山章栄氏が選ぶ一冊
アイデア資本主義 大川内直子著
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素晴らしい一冊だ。文化人類学を研究してきた著者は資本主義を「将来のより多い富のために現在の消費を抑制し投資しようとする心的傾向」の総合的な表出、と定義する。人類は「空間」「時間」「生産=消費」の三方向で資本主義のフロンティアを開拓してきたが、それが限界を迎えた現在はフロンティアを内面に向けていると主張する。
評者にとって本書の素晴らしさは、イスラム教、アルジェリアの農村部、中世ヨーロッパ、宋王朝...