ホンダ販売店で不正車検 国交省が1店舗の指定取り消し
国土交通省関東運輸局は31日、車検業務で不正行為をしていたとして、ホンダ販売店であるホンダカーズ東京中央(東京・世田谷)の1店舗について指定自動車整備事業の指定を取り消したと発表した。同店では1187台に対し、必要な検査をせずに車検を通していた。

国交省は道路運送車両法にもとづき、ホンダカーズ東京中央の王子店(東京・北)の指定自動車整備事業の指定を取り消した。同店では2020年8月~21年12月に不正行為があったという。車が直進するかどうかを確かめるための検査では装置を正しく使用せず、あらかじめ車が横ずれしないように操作していた。またブレーキなどの検査では必要な点検や整備を実施していなかった。
ホンダは同店の従業員からの申告を受けて、内部調査を実施した。1月に不正の事実が認められたため、ホンダカーズ東京中央が国交省に報告し、今回の行政処分に至った。ホンダは同日、「このような不正行為があったことは誠に遺憾」とコメントした。他の販売店についても総点検を実施しているが、現時点では新たな不正は見つかっていないという。
車検業務をめぐっては、トヨタ自動車が21年9月、系列の販売会社計15社16店で不正があったと発表した。対象となる台数は6659台にのぼった。国交省は、同年7月に不正が発覚したトヨタモビリティ東京(東京・港)の販売店「レクサス高輪」(同)について、指定自動車整備事業を取り消す処分をしていた。