三井化学系、車用樹脂に400億円 千葉に新設備

三井化学系のプライムポリマー(東京・港)は31日、車や食品容器などに使われる樹脂の新設備を千葉県市原市の工場に設けると発表した。投資額は400億円。既存品よりも剛性や耐衝撃性を10~50%高めた高機能ポリプロピレンを生産する。2024年11月に稼働を目指す。
プライムポリマーは05年、三井化学と出光興産が共同出資して設立した。プライムポリマーのポリプロピレンの生産能力は年間117万㌧で国内最大手。
新設備の生産能力は年20万㌧を見込む。製造工程プロセスを設計段階から見直し、既存品よりも耐衝撃性などに優れたポリプロピレンを製造できるようにした。電気自動車(EV)の普及などを背景に、車の軽量化ニーズが高まっているのに応える。食品包装も薄くできるという。
耐久性も高まるため既存品より劣化しにくく、リサイクルしやすくなる。既存品からの置き換えが進むことで、同社の試算では温暖化ガス排出量を13年度比で年約7万㌧削減できる見通し。需給環境に応じて、既存製造設備を停止するなど生産体制を再構築する。