三菱重工が「スマート倉庫」 作業順序考え、人の負担減

三菱重工業は31日、三菱ロジスネクストと共同開発した物流倉庫の自動化システム「シグマシンクス」を用いたサービスを横浜市の拠点で報道陣に公開した。フォークリフトや物流ロボットで効率的に荷物を運ぶ順序などをシステムが考え、10人必要だった作業を1人でできるようになるという。9月1日から機器と合わせてサービスを提供する。
システムは、大きな箱を大量にパレットに積み上げて移送する際のピッキング作業などに用いる。崩れにくい荷物の並べ方や、効率的なパレットやフォークリフトの動かし方などをシステムが算出する。
現在はそうした作業順序などは作業者が考えている。マンパワーによるその場の判断で作業を効率化させていることも多いため、多くの人手がかかっている。シグマシンクスで機器同士をつなげば、人手に頼っていた手順の検討をシステムでできる。
三菱重工は横浜・本牧工場内の共創空間「ヨコハマハードテックハブ(YHH)」に機器とサービスを組み合わせた実証設備を整え、10月から顧客の見学を受け入れる。顧客の倉庫にどう導入できるかを検討する。導入価格は数億円の見通し。
飲料や食品分野で年間数件の導入を見込む。トラックへの積み下ろしをするサービスなどにも広げたい考え。2030年までに数百億円規模の売上高を目指す。