食品値上げ、4月は4倍5100品目 世帯負担は年2.6万円増

2023年度も食品の値上げが続く見通しだ。帝国データバンクは31日、主要食品メーカー195社が4月に前年同月の4倍の5106品目を値上げすると発表した。原材料高の影響が長引き、短期間で複数回の値上げが目立つ。同社は23年度の食費負担が22年度に比べ1世帯あたり年間約2万6000円増えると試算している。
4月はキユーピーや味の素が家庭用のマヨネーズを値上げする。価格改定は21年以降で4回目だ。「キユーピーマヨネーズ」(450グラム)は参考小売価格が475円から520円に上がる。
伊藤ハム米久ホールディングス(HD)グループの伊藤ハムと米久は家庭用と業務用のハム・ソーセージなどを4月1日納品分から値上げする。一部は内容量を減らす実質値上げで対応する。引き上げ幅は約5~20%で、22年以降3回目の価格改定となる。
5月以降も22年を上回るペースで値上げが続く見通しだ。サントリー食品インターナショナルやコカ・コーラボトラーズジャパンなど飲料大手は5月、缶コーヒーの希望小売価格を25年ぶりに引き上げる。
幅広い食品に使われる小麦価格も上昇する。政府は製粉会社などに売り渡す輸入小麦の価格を4月から22年10月〜23年3月に比べ平均5.8%引き上げる。山崎製パンの飯島延浩社長はかねて「小麦価格が上がれば、夏以降に食パンや菓子パンを値上げせざるを得ない」と話しており、パンなどで再び値上げが広がる可能性がある。
帝国データによると、1〜6月の値上げ品目はすでに1万7298品目と前年同期の2倍以上だ。22年は2万5768品目が値上げされたが、23年は8月にも累計で2万品目を超える可能性がある。

原材料価格や物流費の高騰を受け、食品・サービスなど幅広い分野で値上げの動きが広がっています。最新の記事をまとめました。
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