大塚HDの貧血薬、米FDAが「承認できず」
大塚ホールディングス(HD)は31日、傘下の大塚製薬と米製薬アケビアが共同開発する腎性貧血の治療薬「バダデュスタット(一般名)」について、アケビアが米食品医薬品局(FDA)から「申請データでは承認できない」との通知を受けたと発表した。安全性などの懸念があるためで、両社で開発方針を検討する。

バダデュスタットは大塚製薬が2021年3月、成人の慢性腎臓病に伴う貧血向けの用途でFDAに承認を申請していた。透析患者と非透析患者を対象にした治験データを提出したが、効果と安全性の観点から承認できないと判断された。透析患者に血栓が生じるリスクなど、安全性の懸念が示されていた。バダデュスタットは21年10月に欧州でも承認申請しており、現在審査が進んでいる。
大塚製薬は16年、アケビアとバダデュスタットの米国における共同開発・販売契約を結んだ。17年には欧州でも共同開発し、大塚製薬が販売するなど契約の内容を広げていた。
大塚HDは22年12月期の連結業績への影響について、「精査中であり、確定し次第お知らせする」としている。同社は抗精神病薬「エビリファイメンテナ」などの販売が好調だが、一部の主力薬では20年代半ばにも特許切れを迎える。バダデュスタットは次世代の成長をになう候補の一つとして位置づけていた。
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