第一三共、21年4~12月純利益24%増 貧血薬好調

第一三共が31日発表した2021年4~12月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比24%増の943億円だった。主力品で採算性の高い貧血薬が米国で好調だったことに加え、注力する新型抗がん剤の販売が日米で堅調に推移した。
売上高は10%増の8109億円、営業利益は38%増の1237億円だった。新型コロナウイルス感染拡大による受診抑制が緩和されつつあるのを背景に、貧血薬「インジェクタファー」の販売が前年同期比31%増の423億円まで伸びたほか、新型抗がん剤「エンハーツ」も557億円と93%増えた。北米を中心に乳がん向けなどの普及が進んだ。
前期比16%減の640億円を見込む22年3月期通期の純利益見通しに対し、進捗率は100%を超えているが、1~3月期に研究開発関連などのコストが増えるため従来予想を据え置いた。エンハーツを巡る米シージェンとの特許訴訟については、仲裁の結果が3月までに明らかになるという。
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