ミネベア、オムロンの半導体工場買収 100億円追加投資

ミネベアミツミは30日、オムロンの滋賀県野洲市の半導体工場を買収すると発表した。半導体事業の拡大に向けて、リチウムイオン電池などの電流制御に使う半導体の生産能力を増強する。取得後に100億円超の追加投資を実施し、今回の工場で月産約2万枚の8インチのウエハーの生産体制を確保する。
買収金額は非公表だが、ミネベアは「業績に与える影響は軽微」と説明している。同社が手がけるアナログ半導体はスマートフォンの電池保護のほか、車載電源や医療機器に使われる。需要拡大を受けて事業の売上高を600億円から今後数年で1000億円に引き上げる計画で、20年4月には同業のエイブリックを買収した。
オムロンにとっては半導体とMEMS(微小電子機械システム)の開発・生産からの撤退となる。同社は「ROIC(投下資本利益率)が低く、事業ポートフォリオの入れ替え対象となった」と話す。
ミネベアは工場取得とは別に、8月に群馬と岐阜に半導体開発センターを新設して約60人を採用する。生産能力の充実とともに、半導体の新製品の開発能力も強化する。