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ニトリ、三重苦でも増益 円安・物流費・巣ごもり一巡

ニトリホールディングスは31日、2023年3月期の連結営業利益が1506億円になりそうだと発表した。決算期を変えるため前期と比較できないが36期連続の実質増収増益を見込む。ただ円安による原材料高、物流費高騰、巣ごもり消費の一巡という「三重苦」に見舞われる。利益率が下がっており、積極出店などで補おうとするが乗り越えるのは簡単でない。

決算期末を2月20日から3月末に変えるため、23年3月期は13カ月11日の変則決算となる。

売上高は9636億円を計画する。「12カ月を前提としても増収増益だ」(財務経理部の善治正臣氏)とするが、前期は21年1月に島忠を子会社化したことも売上高を押し上げていた。新型コロナウイルス下の巣ごもり消費も一巡する。主力のニトリ事業の既存店売上高は前年同月比減収で推移している。

カギとなるのが積極出店による増収効果だ。今期は前期の2倍弱となる国内外141店舗の純増を予定する。重視するのは中国や台湾などで、海外店舗数は4割増の134店舗になる。韓国など実店舗のない国では現地の電子商取引(EC)運営企業と提携してネット通販を展開しており、対象国を広げていく。

営業利益も実質増益を目指すが、増収以上に達成のハードルが高い。売上高営業利益率は15.6%と前期(17%)から悪化する見通しだ。

要因の1つが円安に伴う原材料費高と物流費の高騰だ。当面は自社工場を設けて商品製造を委託工場から移管したり、原材料を生産者から直接仕入れたりして対応する方針だ。「物流費も昨年末をピークに足元では緩和している」(武田政則取締役)という。

島忠との共同開発商品の販売も強化する。独自商品は採算がよく同業との差異化につながる。現在約400品目を開発済みで3100品目が開発中だ。今期末の開発目標としてホームセンター商品売上高の3割、1万6000品目に広げる。

同日発表した22年2月期連結決算は売上高が前の期比13%増の8115億円、営業利益が0.4%増の1382億円だった。島忠を子会社化した効果で35期連続の増収増益を確保したものの、会社予想を下回った。純利益は5%増の967億円だった。

ニトリ事業の売上高は巣ごもり消費の反動減で既存店売上高が伸び悩み、5%減の6792億円。営業利益は2%減の1352億円だった。

「9月まで114円で予約済み」 似鳥会長、業績影響は限定的

同社は9割の商品を海外で生産しドル建てで決済する。対ドルで1円の円安が年約20億円の減益要因になる。似鳥昭雄会長は足元の円安・ドル高について「もともと米国のインフレと利上げが原因となって円安が進むと思っていた」と話した。

9月分まで1ドル=114円90銭で為替予約したと明らかにした。足元の為替相場(121円前後)よりも円高水準で、円安が進んでも輸入採算の悪化を抑えられ業績への影響は限定的だという。

「日本は(特別定額給付金で)10万円を配っても8割が貯蓄に回ったが米国は給付金のほとんどが消費に回った。消費が一気に活発になり、世界的な需給逼迫とインフレにつながった」と話した。この基調は10月まで続くという。「ウクライナ情勢でやや不透明になったが下期に米国の消費と金利は逆回転して円高基調になるだろう。1ドル=110~115円を予想する」と語った。

JPモルガン証券の村田大郎氏は今期予想について「既存店売上高を伸ばすのは相当難しく、海外事業の利益貢献も十分ではない」と指摘。「為替予約がなければ増収増益の計画達成は相当厳しいだろう」と話した。

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