伊藤忠系新電力、再生エネ100%の店舗作り支援

伊藤忠商事系の新電力、アイ・グリッド・ソリューションズ(東京・千代田)は店舗や倉庫の電気を全て再生可能エネルギーで賄えるよう支援するサービスを始める。顧客の温暖化ガスの削減計画を作り、要望に応じて太陽光発電による電気や蓄電池、電気自動車(EV)の充電設備を販売する。
まずはホームセンター大手のジョイフル本田から受注した。アイ・グリッドが各店舗のエネルギーの消費データから温暖化ガスの排出量を計算し、リポートや削減計画を作る。空調など設備の交換による省エネや、店舗の屋根に無償で設置する太陽光パネルからの電力供給も提案する。コンサルティング料のほか、電力販売や設備の運用・保守で収益につなげる。
店舗の設備に小型端末を取りつけ、人工知能(AI)で予測した発電量や電気の消費量をもとにシステム上で遠隔制御する。電池の充放電のタイミングを調整するなどし電気の需給を合わせる。余った電気は蓄電池や電動の配送車両の充電にあてる。電気が足りないときは蓄電池からまかなったり、店舗内の空調を制御して電力消費を抑えたりする。
太陽光発電は日射量により発電量が変動し、店舗の電力消費を全てまかなうのが難しい。再生エネで生み出した環境価値を証明する「非化石証書」を外部から購入し、温暖化ガスの排出分を相殺するのが一般的だ。アイ・グリッドはスーパーやドラッグストアなどにも提案し、再生エネの自給自足に役立てる狙いだ。