富士通の4~6月、純利益28%減 部材不足響く

富士通が29日発表した2022年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比28%減の172億円だった。供給網の混乱による部品不足が影響した。受注は順調なことから7~9月期以降に利益が積み上がるとして、53%の最終増益を見込む通期の業績見通しは据え置いた。
売上高にあたる売上収益は2%増の8188億円。半導体部品などのデバイス事業が伸びた。営業利益は24%減の256億円だった。部材不足はサーバーや通信機器などで影響が大きく、売り上げ計上の遅れやコスト増で営業利益を129億円押し下げる要因になった。
主力のテクノロジー事業も部材不足が響き、営業利益は87%減の22億円だった。富士通はIT(情報技術)サービスなどの成長で23年3月期に同事業の売上収益営業利益率を10%にする目標を掲げるが、22年4~6月期は0.3%にとどまった。
4~6月の国内受注状況は6%増と好調だ。官公庁や製造業向けシステムなどの案件を獲得している。磯部武司・取締役執行役員最高財務責任者(CFO)は29日の決算説明会で「7~9月期からは増益基調に持っていける」と話した。