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武田や第一三共など、株価回復鈍く 開発費増懸念

 

製薬大手の株価の戻りが鈍い。事業環境は主力薬の販売増や新型コロナウイルスによる受診抑制の影響緩和などで好転しつつある。それでも30日までに2021年4~6月期決算を発表した5社のうち、武田薬品工業など4社の19年末比の騰落率が日経平均株価を下回る。研究開発費に見合った利益を確保できるのか懸念が膨らんでいる。

30日に4~6月期決算(国際会計基準)を発表した武田と第一三共アステラス製薬の売上高にあたる売上収益は3社とも前年同期比増えた。主力薬の販売増や、外出制限の緩和で通院する人が戻ったことが寄与した。

武田は18%増の9496億円だった。潰瘍性大腸炎などの治療薬に加え、神経精神疾患用の薬も伸びた。第一三共は新型抗がん剤や貧血治療薬の販売が増え、11%増だった。アステラスも6%増えた。

ただ株価はさえない。30日終値をコロナ感染拡大前の19年末と比べた騰落率は、武田が15%安となるなど軒並み日経平均(15%高)を下回る。

一因が研究開発費の増加への懸念だ。武田の本業のもうけを示すコア営業利益は、研究開発費の増加により2489億円と11%減った。アステラスの純利益も39%減の306億円だった。一部新薬の開発中止などで約260億円の減損損失を計上したのが響いた。

第一三共の研究開発費も抗がん剤の対象拡大といった臨床試験(治験)が始まり、540億円と前年同期比11%増えた。

各社は主力薬の特許切れに備え、研究開発費を増やしているが足元ではうまく吸収できていない。SMBC日興証券の田中智大氏は「投資の増加は短期的に利益を圧迫しているようにみえ、嫌気されている」とみる。

株価が20%高と日経平均を上回るのが中外製薬だ。血友病治療薬「ヘムライブラ」の海外販売が大きく伸び、研究開発費を補っているためだ。4~6月期の純利益は39%増の707億円と同じ期間では最高となり、短期の業績拡大と中長期の成長投資を両立している。

21年度通期の5社合計の研究開発費は1兆2565億円と前期から12%増える見通し。武田は「21年は研究開発で重要な年となる」(クリストフ・ウェバー社長)と、過去最大の5220億円を計画する。

ただ新薬開発の成功率は2万5000分の1とされる。治験を続けても成果が出なければ、開発効率は落ちるばかり。成長を見込める疾患領域に経営資源を絞り込み、不採算の研究を打ち切るなどメリハリをつけることが欠かせない。

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