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商船三井、今期純利益5倍超 コンテナ船の運賃高騰寄与

(更新)

商船三井は29日、2022年3月期の連結純利益が前期比5.3倍の4800億円になる見通しと発表した。従来予想は3350億円で、過去最高益を更新する見込み。軟化に向かうとみていたコンテナ船運賃が、10月以降も高騰が続くためで、通期で4000億円規模の利益を稼ぎ出す。大幅な増配方針も発表したこともあり、株価は一時前日比10%超の上昇となった。

「10月の中国国慶節を機に市況が変化すると想定していたが、足元でも強い状態が続いている」。この日にオンラインで記者会見した日野岳穣常務執行役員はこう語った。コンテナ船の経常利益見通しは前期比3倍超の4100億円と、従来予想から1160億円引き上げた。「来年の中国の旧正月まではタイトな需給状態が続きそうだ」とみる。

利益の大半を稼ぎ出すのが日本郵船川崎汽船と共同出資するコンテナ船会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」だ。商船三井の出資比率は31%で、ONEからの持ち分法投資損益は営業外で計上する。通期の経常利益は4800億円と1300億円上方修正したが、この大半はコンテナ船事業の上振れが占める。

世界各地で輸送需要は旺盛だ。米国の多くの地域では過去最高水準が続くコンテナ船の荷動きに対応できていない。「ロサンゼルスでは、長い船で2週間程度の沖待ちが発生している」(同社)。トラックや鉄道といった内陸輸送も目詰まりしており、国際的なコンテナ船運賃の目安となる「上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)」は3月末から約8割上昇した。

好調なのはコンテナ船だけではない。コロナ禍からの経済回復を背景にドライバルク事業の採算改善も寄与する。鉄鉱石などを運ぶ大型ばら積み船の市況高騰も追い風となり、売上高は23%増の1兆2200億円と従来予想を1200億円引き上げた。

同日、今期の期末配当を500円と従来予想を250円引き上げ、年間配当を800円(前期は150円)にすると発表した。同社は配当性向20%という方針を打ち出しており、今回の上方修正にあわせて配当を積み増した格好だ。

株式市場は同日正午に伝わった業績修正と増配を好感し、株価は一時前日比710円(11%)高の7250円まで上昇する場面があった。他の海運大手にも業績の上方修正期待が広がり、日本郵船と川崎汽船の株価は一時8%高まで上昇。JPモルガン証券の姫野良太シニアアナリストは今後の株価を占ううえで「コンテナ船の長期契約を高い運賃レートで更新できるかかカギ」と指摘する。

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