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ドコモの「つまむアンテナ」、周囲が通信エリアに

NTTドコモが展示した「つまむアンテナ」。洗濯ばさみのような留め具で、ケーブルをはさむと電波を放射する
日経クロステック

NTTドコモは28日、スペインのバルセロナで開幕した世界最大級のモバイル関連見本市「MWC」に合わせて、東京都内でMWCにオンライン出展する内容を報道陣向けに公開した。

高速通信規格「5G」の進化や次世代の6Gを見据え、世界中のどこでも通信できる技術などを紹介。成層圏を飛ぶ無人航空機であるHAPS(高高度疑似衛星)を利用したネットワークや、窓ガラスなどに貼る透明なフィルム製品「メタサーフェスレンズ」によって屋内エリアの通信環境を改善することを進めていると強調した。

通信環境の改善技術の1つとして展示したのが「つまむアンテナ」である。構成するのは、ケーブルのような誘電体導波路と、洗濯ばさみのような誘電体を装着した留め具である。

はさむアンテナの動作イメージ。はさんだ部分から電波が発生している(出所:NTTドコモ)

留め具で誘電体導波路の一部をはさむと、留め具の誘電体が密着した部分から電波が放射され、はさんだ周囲を通信エリア化できる。通常の基地局から電波が届かない場所を手軽にエリア化したり、留め具によって自在にエリアの調整ができたりする。誘電体導波路はフッ素樹脂などで構成し、ミリ波帯の電波などにも対応する。

デモンストレーションでは、60ギガヘルツ帯の電波を用い、留め具の位置によって通信エリアが変わる様子を披露した。工場内を模したミニチュアを使い、動いているベルトコンベヤーをカメラで撮影。その映像を伝送する際に、留め具の位置によって、映像伝送ができたりできなかったりする様子を見せた。

将来的に製造現場は多品種少量生産などに対応するため、工場のレイアウトを今までより短い期間で変更しなければならなくなるだろう。レイアウト変更に合わせて基地局を設置・変更することは難しい。そこでつまむアンテナのように通信エリアを柔軟に変更できる技術が求められるという。

ただし課題もある。つまむアンテナは留め具の数や送信機からの距離に応じて電波の強度が変わる。留め具の誘電体の形・材料などで、電波の放射の仕方も変わるため、ドコモはさらに同技術の活用方法や誘電体に関する開発などを進めていく。

(日経クロステック/日経エレクトロニクス 野々村洸)

[日経クロステック 2021年6月28日掲載]

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