N-ARK、海上建築で海水農業 23年にも実証へ - 日本経済新聞
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N-ARK、海上建築で海水農業 23年にも実証へ

建築スタートアップのN-ARK(ナーク、浜松市)が海上に建造物をつくり、海水を用いた農業を営む事業を始める。海水面の上昇や塩害による被害が世界的に深刻化していることを受け、海水で作物を育てる技術も活用しながら海上建築で課題を解決できると見込む。2023年にも実証実験をはじめ、26年にも建造物を販売したい考えだ。

海上建築の建材には間伐材、木材をつなぐジョイントには海水でも劣化しにくいカーボンの素材を活用する。埋め立てることなく、海水に浮く素材を利用する。建物の屋根は雨水を取り込むため逆三角形を想定。貯蔵した雨水は建物内部での農業や、建物内の空調に活用する。海上建築は自治体など向けに販売できると見込む。

海上建築の実現に向け、まずは海水農業の実証実験を21年末にも開始する。海水農業はスタートアップのカルティベラ(沖縄県国頭郡)の技術を活用する。従来の灌漑(かんがい)に必要な水の10分の1の量で、糖度やビタミンなどが豊富な野菜を栽培できるという。ナークはカルティベラと組み、アルカリ性の海水と酸性の雨水を中和することで海水農業を実現したい考えだ。栽培する野菜については、当初はホウレンソウや水菜などを想定する。

ナークの田崎有城代表は、デザインを生かした新規事業のコンサルティングなどを手掛ける会社を立ち上げた経験を持つ。リアルテックホールディングス(東京・墨田)が投資するスタートアップの支援も手掛けてきた。田崎代表は「これまで人間にはAI(人工知能)やサイボーグなどの技術が活用されてきたが、土地にはイノベーションが起きていない。次世代の建築家になりたい」と意気込む。

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