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国内航空に再編の波 AIRDO・ソラシド統合発表

北海道が地盤の航空会社、AIRDO(エア・ドゥ、札幌市)と九州を拠点にするソラシドエア(宮崎市)は31日、共同持ち株会社を設立すると正式発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で、旅客需要の低迷が長引く。苦境の航空会社は再編による経営効率化に活路を見いだす構えだ。

2022年10月をメドに両社を傘下に持つ持ち株会社を設立する。両社はいずれも筆頭株主の日本政策投資銀行などを引受先とする第三者割当増資による優先株の発行も発表した。7月にAIRDOは70億円、ソラシドは25億円を調達する。両社ともに減資もする。政投銀は「地域路線の維持に注力する」と出資の狙いを説明する。

旅客数の急減で21年3月期はAIRDOが121億円の最終赤字(前の期は4億2400万円の黒字)、ソラシドが76億円の赤字(同9億9000万円の黒字)を計上した。記者会見したAIRDOの草野晋社長は「それぞれが自助努力を重ねているが、限界がある」と持ち株会社設立の背景を語った。統合から5年で年間30億~50億円の業績改善効果を見込む。

両社は北九州が拠点のスターフライヤー(北九州市)やスカイマークとともに航空自由化の流れを受けて2000年前後に新規参入した第1陣だ。羽田空港の発着枠が拡大する中、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)に対する第三極を形成したが、競争激化で各社が経営難に陥った。ANAホールディングス(HD)の出資を4社とも受け、経営を再建していた。

今回、合併などに踏み込まないのは地域を地盤とする独自性が薄れるほか、新興航空会社に競争促進のために優先配分されている羽田の発着枠が減る恐れがあるからだ。ANAHDの出資比率が20%を超えた場合でも発着枠の優遇対象から外れる。こうした事情からANAHDも追加の支援に踏み込みにくい。政投銀が支援するのもこうした構図があると見られる。

新規参入組にはピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)や春秋航空日本(千葉県成田市)など、格安な航空券で2010年代に急成長した成田空港を発着する第2陣がある。現在、国内を主戦場とする企業は3社ある。

新型コロナの変異ウイルスが拡大するなど旅客需要の先行きの不透明感は拭えないが、航空各社はワクチンの接種拡大で観光需要から回復すると見込む。観光客の比率が高い新規参入組の第2陣がその恩恵を受ける公算が大きい。JALもコロナ後を見据えて、春秋航空日本の連結子会社化を決め、需要取り込みを狙っている。

韓国政府主導でアシアナ航空と大韓航空の統合が決まるなど、海外ではコロナ禍での航空再編も始まっている。AIRDOとソラシドも経営効率化を果たせなければ、一段の再編が必要になる可能性もある。

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