JERA、米国の火力発電で水素混焼 22年に最大40%

東京電力ホールディングスと中部電力が共同出資するJERAは28日、米国にあるガス火力発電所で2022年に水素を天然ガスに混ぜる取り組みを始めると発表した。同社が出資する事業会社が米石油精製大手から水素を含むガスを引き取る契約を結んだ。最大で40%まで水素を混焼できるようにガスタービンを改造工事する。
JERAは米国現地法人を通じてニュージャージー州のリンデン市にあるガス火力発電所を手掛ける事業会社に50%を出資している。この事業会社が米石油精製大手のフィリップス66の精製所から水素を含むガスを引き取り、隣接するリンデンガス火力発電所の6号機で燃料として使う。最大で6号機からの二酸化炭素(CO2)排出量の1割を削減できる見込みだ。
水素はサプライチェーン(供給網)に課題があり、日本での混焼には実現に長い時間がかかるとされる。JERAは水素を利用しやすい米国で優先的に取り組み、日本での混焼に必要な技術やノウハウを蓄積したい考えだ。JERAは50年時点で国内外の事業活動で出されるCO2の実質ゼロを目指しており、国内ではアンモニアを石炭火力発電所の燃料に混ぜる取り組みを進めている。

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