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GoToトラベル給付金不正、HIS沢田社長ら減俸処分

(更新)

エイチ・アイ・エス(HIS)は28日、子会社2社で観光支援事業「Go To トラベル」の給付金を不正受給していた問題を受け、創業者の沢田秀雄会長兼社長ら取締役3人の報酬を減額する処分を発表した。斉藤鉄夫国土交通相は28日の記者会見でHISを厳重注意したと明らかにし、刑事告訴も視野に調査を進めるとした。HISが同日発表した2021年10月期連結決算でも不正受給が響いた。

子会社2社はミキ・ツーリスト(東京・港)とジャパンホリデートラベル(大阪市)。ホテル運営のJHAT(東京・港)に対して、従業員80人が60泊する宿泊契約を結んだり、同社の施設を使った法人向け研修旅行を企画したりしたが、多くは宿泊の実態がなかった。3社は約11億円の給付金などを申請したが、HISが設置した調査委員会は不正受給した給付金やクーポン券は最大約6億8千万円に上ると認定。HISは国に返還する方針を示している。

調査委員会の報告を受け、HISは沢田氏の基本月額報酬を3カ月間75%減額とし、子会社の取締役を兼務する2人の取締役は同50%減額とする処分を決めた。2つの子会社の社長も解任や降格処分とする。

斉藤氏はHISを厳重注意し、事実関係の調査継続や改善策の策定も指示したと明らかにした。3社には不正受給した給付金などの返還を請求する。観光庁は警視庁に被害について相談しており、斉藤氏は「刑事告訴も視野に入れる」とした。

観光庁は28日、3社を「GoTo」再開時に参加停止にすると発表した。斉藤氏はHISの参加の可否は明言を避けたが、「親会社としての管理監督責任を十分果たすべきで、対応を踏まえて判断したい」とした。観光庁は「GoTo」再開に向けて、給付金支払いについて審査を厳格化し、審査体制の強化などの措置を講じる構えだ。

オンライン記者会見で沢田氏は、「子会社の管理責任を感じており、申し訳ない。厳重注意を謙虚に受け止め、改善を図る」と述べた。調査委員会の報告を受領した後の24日の記者会見で、沢田氏は自身の責任については言及を避けていた。HISは22年1月以降にガバナンス(企業統治)の改善策を観光庁に提出する方針だ。

HISの21年10月期連結決算では売上高は前の期比72%減の1185億円、最終損益は500億円の赤字(前の期は250億円の赤字)だった。最終赤字は2期連続で、赤字幅は過去最大だ。新型コロナが広がる前は売上高の約9割を占めた旅行事業は、緊急事態宣言の影響などにより前の期比88%減の430億円だった。

当初は13日に決算発表を予定していたが、不正受給問題を受けて発表を延期していた。不正受給は売上高で20億円、最終損益段階で3億9500万円のマイナスに影響した。今期の業績見通しは開示しなかった。

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