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ANA、今期一転最終赤字1000億円 25年度9000人減へ

(更新)

ANAホールディングス(HD)は29日、2022年3月期の連結最終損益が1000億円の赤字(前期は4046億円の赤字)になりそうだと発表した。35億円の黒字としていた従来予想から一転して2期連続の赤字となる。新型コロナウイルスの影響が長引き旅客需要の回復が遅れている。25年度末に航空事業(ANAブランド)の人員を、20年度末比で約9千人減らす計画も明らかにした。

「想定していた以上に緊急事態宣言(の範囲)が拡大した」。ANAHDの片野坂真哉社長は同日の記者会見で、業績下振れの理由を語った。今期の連結売上高の予想は前期比45%増の1兆600億円と、従来予想から3200億円下振れする。営業損益は1250億円の赤字(前期は4647億円の赤字)と1530億円下方修正した。売上高は20年3月期比で46%減となる。

同社はこれまで、7~9月の国内線旅客数が19年比で15%減、国際線が80%減の水準まで回復すると想定していた。だが実績は国内線が同7割減、国際線が9割減。今期末には国内線旅客数が19年並み、国際線は19年比5割の水準まで戻るとしていた従来予想は、国内線が15%減、国際線が70%減に下方修正した。

政府の緊急事態宣言の解除などで10月以降は需要が戻りつつあり、10~11月には国内線で200便を超える臨時便を設定するなど収益回復の兆しも見えている。22年1~3月期に営業黒字に転換し、21年10月~22年3月期の最終赤字は約10億円に縮小する見通しだ。

上期の下振れは大きく、必達目標としてきた今期の黒字転換は見込めなくなった。営業キャッシュフロー(CF)と投資CF(3カ月超の定期・譲渡性預金を除く)をあわせた「実質フリーキャッシュフロー」は4~9月期で1258億円の赤字。ただ、国内線の旅客数の回復などを支えに赤字幅は前年同期から半減している。

9月末時点の手元資金は8208億円で1カ月あたりの営業費用(7~9月期決算ベース)の8.7カ月分ある。ただ資金を確保した結果、有利子負債は約1兆6千億円と2年前の2倍に膨らんでいる。収益認識基準の変更も影響し、9月末時点の自己資本比率は26%と2年で15ポイント低下した。

同社は前期に公募増資などで約3000億円を調達し資本も増強している。片野坂社長は「手元流動性は十分な水準」とした上で、格付け上は資本性のある劣後ローンによる借り入れも行っていることなどから「ただちに資本増強する必要はない」と話した。

一方、コロナ後も見据えて体質の強化を急ぐ。20年度末に約3万8千人だった「ANA」ブランドの航空事業の従業員数を25年度末に約2万9千人に減らす計画を新たに明らかにした。定年退職や採用の抑制による自然減で人員規模をスリム化し、デジタル技術の活用などによる生産性向上で補う考えだ。

足元でも賃金のカットや社員の外部出向、前期に実施した機材の早期退役などでコストは抑えており、4~9月期は19年の同期間と比べ3400億円のコストを削減した。7~9月期の連結売上高は2322億円と、20年1~3月期や「Go To トラベル」期間の20年10~12月期より小さいものの、四半期ベースの最終赤字は20年以降で最小の476億円となった。

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