非回線契約者への端末販売拒否が最大3割 総務省調査
総務省は、携帯電話の販売代理店に対する覆面調査の結果を26日の有識者会議で公表した。これによると、非回線契約者への端末販売を拒否した店舗が最大3割近くに達した携帯電話会社があった。「一部の店舗における単なる誤案内とは考えにくく、何らかの構造的な要因があることが推察される」と結論づけた。
覆面調査では、NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの店舗において、各社が提供する端末購入サポートプログラムを使い、携帯電話回線には契約せず端末だけを購入する場合の対応を調べた。
この結果、NTTドコモで22.2%、KDDIで29.9%、ソフトバンクで9.3%の販売拒否が確認された。「直営店ではないため、受付できないシステムになっている」などと事実と異なる説明がみられたという。
一方、総務省がこうした非回線契約者への端末販売拒否の有無を大手各社に調べさせたところ、NTTドコモは3.3%、KDDIは1.3%、ソフトバンクは2.3%あったとの自己申告だった。覆面調査との差が大きいことから、携帯大手が「現場の実態を十分に把握・指導できていないと考えられる。販売代理店への指導等措置義務を十分に果たしていない」と問題視した。
総務省の有識者会議は、携帯大手の販売代理店に対する評価指標や手数料体系がこうした問題を招く要因になっているとみており、販売代理店の在り方についても見直しを図っていきたい考えだ。
(日経クロステック/日経コンピュータ 榊原康)
[日経クロステック 2021年4月27日掲載]
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