ソニーG吉田社長「ホンダとのEV、安全に万全期す」
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ソニーグループは28日午前、東京都港区で定時株主総会を開いた。吉田憲一郎会長兼社長はホンダと組んで参入する電気自動車(EV)について、「2025年のEV発売に向けて万全を期したい」と述べた。
ある株主は「モビリティーはモバイルゲームとは違い、安全性が重要。参入する以上は覚悟が必要だ」とし、「リコールレベルの訴訟になったらソニーとホンダのどちらが表に出て責任を負うのか」と尋ねた。吉田氏は「EVの発売主体はホンダとの共同出資会社。1次的には同社が責任を負う」としつつ「安全面で十分な対策をとらないといけない」と応じた。
ソニーは創業以来「人の命に関わる製品は扱わない」との不文律があったが、近年は医療事業やEVにも進出するなど変化している。吉田氏は「ソニーは医療機器を扱っており(オリンパスと共同開発する)内視鏡や、細胞解析装置も含まれる。医療でも安全には万全を期している」と述べた。
ソニーは成長領域としてモビリティーを掲げる。ホンダと22年内に共同出資会社「ソニー・ホンダモビリティ」を設立する。25年をメドに同社からEVや関連するサービスを提供する予定だ。ただ世界的なEVシフトの中でも安全性への懸念はなお残る。EV世界最大手の米テスラでも21年末から米中で大規模なリコール(回収・無償修理)が起きている。
22年の定時株主総会の所要時間は55分で21年(51分)より4分延びた。会場で出席した株主数は213人で21年(163人)より50人増えた。