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気候リスク基準開発の新組織 国際ルール作りへ関与カギ

気候変動リスクなどサステナビリティー(持続可能性)関連情報の国内開示基準を作る新組織「サステナビリティ基準委員会(SSBJ)」が1日発足した。国際団体が年内にも取りまとめる国際基準を踏まえ、企業の有価証券報告書への記載内容を検討する。企業の情報開示や事業変革を後押ししつつ、国際的なルール作りにどれだけ関与できるかが課題となる。

「国際社会における我が国のプレゼンス向上に貢献する」。日本の会計基準を開発する企業会計基準委員会(ASBJ)の運営母体、財務会計基準機構(FASF)の林田英治理事長は1日、SSBJの設立記念式典で述べた。SSBJはFASFの傘下に置かれた。

サステナビリティー情報は開示基準が乱立し、投資家などの使い勝手が悪くなっていた。国際会計基準の策定を担うIFRS財団はグローバルで統一的な基準作りを目指し、2021年に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立。まず気候関連の基準を年内に策定する。

金融庁は有報にサステナビリティー情報の記載欄を新設する予定で、SSBJがISSBの基準を踏まえて開示内容を検討する。

ISSBは多くの国が自国の開示制度に取り込むことができ、必要に応じて開示内容を上乗せできる「ベースライン」作りを目指している。ただ過度な開示要求となれば企業活動の妨げになりかねない。

すでに公開されているISSB案は日本にとって難点があると指摘されている。例えば、11セクター・68産業別にそれぞれ気候変動関連の指標開示を求めている。この産業分類は米国の慣習に基づくため、石油ガス関連が4産業ある一方、サービスはホテルなど3産業しかない。日本の商社などは複数の産業分類にわたって開示を求められる可能性がある。

電気・電子機器業では気候変動との関連が不明確な化学物質関連の開示が求められている。他の業種でも事業に不可欠な特定成分の情報開示を求められる場合がある。

7月29日にはISSB案への各国意見の提出期限を迎える。この日の式典では、SSBJのISSB案に対するコメント案が示された。「最初は各法域で適用できる最もコアな開示を要求し、その後に拡大するという段階的アプローチを採用すべきだ」としている。

開示基準は投資家がサステナビリティーの要素で企業を選別する際の物差しになる。日本に不利なルールが多く盛り込まれれば競争力の低下につながりかねず、SSBJの役割は大きい。

(企業財務エディター 森国司)

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