0.2mmの微小血管を可視化 光超音波装置が承認

医療機器開発スタートアップのLuxonus(ルクソナス、川崎市)は27日、造影剤なしで血流状態を可視化できる「光超音波イメージング装置(LME-01)」の薬事承認を取得したと発表した。今後、医療機関向けに販売を始め、並行して保険適用を申請する。手や足といった部位の血流状態を測定し、血流障害の特定などに利用してもらう。
同装置は無被曝(ひばく)で造影剤を使用せずに直径0.2ミリメートル(mm)ほどの血管まで撮影できる。体表に近赤外パルスレーザー光を照射することで、血中の赤血球から発生する超音波を独自の超音波センサーで検出する仕組みだ。
「パルスレーザー光は日本産業規格(JIS)の『レーザ製品の安全基準』に準拠しており、やけどなどが発生しないよう安全性を担保している」とLuxonus取締役で最高技術責任者(CTO)の八木隆行氏は話す。

超音波センサーが撮影する箇所をなぞるように動いて画像を取得する。最大180mm×290mmの範囲を5分以内で撮影し、手のひらであれば2分20秒ほどで3次元(3D)画像を得られる。血管の静止画だけではなく、血流の状態が分かる動画も撮影できる。
同社は現在、京都大学大学院医学研究科と慶応義塾大学医学部と共同研究を実施しており、光超音波イメージング装置を使った治療や診断に応用する可能性を探っているところだ。例えば、乳房再建など血管同士を縫合する手術の計画や術後の評価に使える可能性があるという。
(日経クロステック/日経デジタルヘルス 高橋厚妃)
[日経クロステック 2022年9月27日掲載]
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