JT、米たばこ大手と合弁 加熱式「プルーム」販売へ

日本たばこ産業(JT)は27日、米国たばこ大手アルトリア・グループと高温型の加熱式たばこの合弁会社を米国に設立したと発表した。アルトリアの販売網や両社の技術を持ち寄り、同国での販売を目指す。2025年度上半期をめどにJTのブランド「プルーム」で販売前申請を米食品医薬品局(FDA)に提出する。成長市場を開拓する。
アルトリアは米国で「マールボロ」などの紙巻きたばこを販売している。合弁会社「ホライゾン・イノベーションズ」にはアルトリア子会社が1.5億ドル(約220億円)を出資した。JT側は加熱式たばこの機器を現物出資する。
新会社では紙巻きに近い味わいの高温型の加熱式たばこを手掛ける。新会社の収益はJTに25%、アルトリア側に75%分配する。
健康面への影響から世界的に紙巻きたばこへの逆風が強まる一方、紙巻きより有害物質の発生が少ないとされる加熱式たばこの販売が伸びている。英ユーロモニターインターナショナルによると、世界のたばこ販売に占める加熱式のシェアは21年で3%だが、JTによると、27年末までに最大20%程度まで上昇する見込みだ。
アルトリアはかつて「フィリップ・モリス」という名称だったが、03年に現社名に変更した。08年に海外事業のフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が分離・独立した。米国事業は今もアルトリア傘下に残っている。
JTとアルトリアは同日、加熱式たばこや電子タバコなどのリスク低減製品(RRP)で戦略的なグローバル・パートナーシップを締結したと発表した。たばこ業界が紙巻きより有害物質の発生が少ないとしているRRPの研究開発を加速する。
関連企業・業界