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ラピダス社長、北海道で先端半導体工場表明 知事と面会

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最先端半導体の国内生産を目指すラピダスの小池淳義社長は28日、北海道の鈴木直道知事と面会した。小池社長が北海道庁を訪問し、千歳市に工場を建設することを伝えた。ラピダスは「2ナノ」と呼ばれる最先端の演算用半導体の量産を掲げている。2020年代後半の量産開始を目標としており今後、工場インフラの整備を急ぐ。

ラピダスはトヨタ自動車NTTなど8社の出資と国の支援を受け22年に設立した。立地を巡っては複数の地方自治体も候補に挙がっており検討を進めていた。

小池社長は鈴木知事との面会で北海道を選んだ理由について、半導体の生産に欠かせない水が豊富であることを説明。その上で「北海道大学などを中心に先端技術、世界中の技術者を集められる環境もある」と述べた。再生可能エネルギーや産業用地が豊富であることも挙げた。小池社長は「世界最高水準の工場をつくる。全面的な支援をお願いしたい」と話した。

鈴木知事は「世界最高水準の半導体は量子、人工知能(AI)などさまざまな分野でイノベーションを起こすキーとなる。千歳市、国と連携して国家プロジェクトとして前に進めていきたい」と応じた。鈴木知事は16日に東京のラピダス本社を訪れ、小池社長に直接、誘致を働きかけていた。

小池社長は今後の見通しについて「政府による計画や予算の承認を経て、具体的に千歳市とも話し合いを始めていきたい」と語った。小池社長は午後に山口幸太郎千歳市長とも面会。立地先として市営工業団地の千歳美々ワールドを対象に検討しているとした。美々ワールドは新千歳空港から車で6分と近接した工業団地だ。現在はセイコーエプソンなどが拠点を置いている。

また、ラピダスは米IBMから半導体分野で技術供与を受ける契約を結んでいる。西村康稔経済産業相は28日、小池社長と鈴木知事の面会に先立つ閣議後の記者会見で「日米連携の象徴的なプロジェクトなので、議論、検討が進展していることは歓迎したい。次世代半導体の製造基盤の確立に向けた取り組みを、政府として支援していきたい」と述べた。

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