日経優秀製品・サービス賞、最優秀賞など34点表彰

日本経済新聞社は1日、2022年の「優秀製品・サービス賞」の表彰式を東京都内のホテルで開いた。審査委員会が選んだ最優秀賞20点を含む計34点を表彰した。温暖化ガスの排出を抑えることができたり、快適な移動を後押ししたりする製品などが受賞した。
表彰式で小宮山宏審査委員長(三菱総合研究所理事長)が受賞した製品・サービスについて「日本や世界が抱える課題に取り組む製品が目立った。今年は『脱炭素』『人工知能(AI)』『日本流』の3つのキーワードで選んだ」と話した。
各製品・サービスについても触れ「三菱重工業の二酸化炭素(CO2)回収装置は小型でも高効率とした技術力を評価した。日清食品の完全メシは健康とおいしさを兼ね備えている」と講評した。

受賞企業・団体の代表あいさつで、最優秀賞に小規模施設向けCO2回収装置「小型CO2回収装置」が選ばれた三菱重工業の泉沢清次社長は「小規模の施設でも導入できるよう、短納期かつ低コストを目指して開発した」と説明した。
同製品は、脱炭素につながる技術として期待が集まるCO2の回収・再利用・貯留(CCUS)などに活用できる。現在、製品ラインアップの拡充を進めているといい、「今後、自動運転や遠隔操作など新たなサービスを提案したい」と意気込みを語った。

軽電気自動車「サクラ」が同じく最優秀賞に選ばれた日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は「日本を代表するEV(電気自動車)になってほしいと考えて、『サクラ』と名付けた。力強い加速やなめらかな走りなど、これまで培ってきた技術を結集した」と話した。「バッテリーに蓄えた電気を自宅で利用することもでき、災害時には走る蓄電池になる」と強調した。

最優秀賞に白杖「ミズノケーン ST」が選ばれたミズノの水野明人社長は開発の背景について、「加齢やけがで運動機能が低下しても、少しでも元の状態で過ごしてもらえるよう支援する『パワードライフ』というコンセプトがある」と説明した。
同製品はゴルフクラブに使う炭素繊維シートを採用し、一般的な白杖(はくじょう)に比べ3割ほど軽くした。

