鉄連会長にJFE北野氏 「原料高、最大の憂慮事項」

日本鉄鋼連盟(鉄連)は27日、新会長にJFEスチールの北野嘉久社長が同日付で就任したと発表した。橋本英二前会長(日本製鉄社長)は副会長に就いた。北野会長は記者会見で石炭などの原料高に触れ「業界として最大の憂慮事項だ」と述べた。鉄連内に調査チームを設けるほか、鋼材価格への転嫁を進める考えを示した。
鉄連会長は日鉄とJFEの代表者が2年交代で就くのが慣例。北野会長は原料高以外にも二酸化炭素(CO2)排出に値付けをするカーボンプライシングの導入や、エネルギー問題の動向を懸念事項としてあげた。
カーボンプライシングについては鉄鋼の脱炭素化に莫大な投資が要ることを念頭に「(導入によって脱炭素に向けた)革新技術を開発する原資がなくなる」と指摘。脱炭素技術が確立してから導入されるべきだとの考えを示した。
ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、鉄鋼原料もロシア産からの代替が求められている。北野会長は「代替によって(鋼材の)減産などにはならない」と強調。そのうえでニッケルなど鉄鋼生産に使う金属類の価格上昇などが業界に影響を与えていると指摘した。