東京ディズニーのオリエンタルランド、株式を5分割

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)は27日、2023年4月1日付で株式1株を5株に分割すると発表した。同社の株式分割は2015年4月以来、8年ぶり。1単元の投資金額を下げ、投資家層の拡大や流動性の向上につなげる。個人投資家に人気の株主優待制度も分割に伴い見直す。
23年3月31日を基準日として、この日に株主の所有する普通株式を4月1日付で1株につき5株の割合で分割する。これまで100株以上持つ株主には1年間有効な東京ディズニーリゾートの入園券を株主優待として配布していた。分割に伴い、4月以降は配布基準を500株以上に引き上げる。
現時点で株を売買するのに必要な最低投資金額は27日の終値(1万9150円)から算出すると191万5000円だが、株式の分割後には約38万円になる。東京証券取引所は10月、「投資単位として5万円以上50万円未満の水準が望ましい」とした上で、最低投資金額が大きい企業に引き下げの検討を要請していた。今回の株式分割によってOLCはこの水準を満たす公算が大きい。
さらに株式を長く持ってもらうことを目的として新たな優待制度も設ける。2023年9月30日の基準日以降、3年以上継続して100株以上保有している株主には毎年12月に現行の株主優待制度に追加して1枚の入園券を配る。
22年は商船三井が3月末を基準日として1株を3株に分割したほか、9月末を基準日として任天堂(10分割)も実施した。「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングも23年2月28日を基準日に株式1株を3株に分割する。OLCは分割の目的を「投資家層の拡大を図る」とした。少額投資非課税制度(NISA)を使う個人投資家なども買いやすくなるとみられる。
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