三菱電機、エレベーター安全装置の大臣認定で書類不備

三菱電機は27日、エレベーターの安全装置で、書類に不備があったまま国土交通大臣認定の確認申請をしていたと発表した。誤った認定番号を記載したほか、異なる資料を添付していた。社内で情報共有が不十分だったためという。対象製品は別の大臣認定に適合しているため、従来どおり使用できるとしている。
不備が確認されたのは、最上階や最下階の付近で想定速度を上回った際に減速する「無段階終端階強制減速装置(SETS)」で、対象は2021年5月から22年3月までに出荷した乗用エレベーターの7%強に当たる192台に設置されていた。確認検査機関からの問い合わせをきっかけに進めた点検で判明した。
27日までに社内審査プロセス新設など再発防止策を国交省へ報告した。認定内容と適合するよう一部の部品を交換したほか、行政などと協議して是正を進めている。同社の品質不正を調べている調査委員会が25日公表した報告書では「建築基準法違反を構成する可能性」が指摘されている。三菱電機は「重く受け止め再発防止に努めていく」としている。