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JTB、今期営業黒字へ 国内旅行はコロナ前まで回復

JTBの業績が急回復している。27日発表した2022年3月期の連結決算で営業損益は48億円の赤字だったが、前の期の975億円の赤字から大幅に改善した。今期は国内旅行が新型コロナウイルス禍前の9割~同水準まで戻ると見込むほか、イベント運営など旅行以外の事業も寄与して3年ぶりの営業黒字転換を予想する。これまで人員削減や国内店舗網の閉鎖に取り組んできたが、新卒採用や賞与も再開する方針だ。

「構造改革が進み21年10月~22年3月は黒字化できた。今期から成長投資などを進める段階に入った」。同日都内で記者会見した山北栄二郎社長は自信を見せた。前期の売上高は前の期比56%増の5823億円だった。けん引したのは国内旅行事業と、法人や自治体向けのイベント受託やコンサルティングを担う旅行外の事業だ。国内旅行は15%増の1749億円で旅行外事業は約2倍の3713億円だった。

3月下旬にまん延防止等重点措置が全面解除されてから県民割や、より広範囲なブロック割が再開し国内の旅行需要は回復している。JTBは今期の国内旅行は新型コロナ禍前の9割程度~同水準に戻るとみており、新たな観光需要喚起策「Go To トラベル」が始まれば新型コロナ禍前を上回る可能性もある。今期の売上高は前期比74%増の1兆150億円を目指す。

会議運営や企業の商品プロモーション代行など旅行外事業は足元でも引き合いが強い。部門別に見ると旅行事業(ツーリズム事業)は営業赤字だったが、旅行外のビジネスソリューション事業は黒字を確保し、連結で赤字幅の縮小に寄与した。今期は売上総利益に占める旅行外の割合を約4割として、連結営業損益は63億円の黒字転換を目指す。

最終損益は284億円の黒字(前の期は1051億円の赤字)だった。前期に東京都内の本社ビルなど保有ビル2棟を売却。特別利益を442億円計上して最終黒字を確保した。自己資本比率は21年3月末の7%から15%になった。

同社はこれまで業績悪化を受けて新型コロナ禍前に3万人弱いた従業員を22年3月末にかけて約8000人減らした。今期は従業員数や店舗網を減らして固定費を削減する段階から、将来の人手不足に備える段階に入ったとみる。そのため4月には一時的に減らしていた給与を元に戻し、2年ぶりに従業員の夏冬の賞与に似た臨時の手当を支給した。6月中にも第2弾の支給を予定する。

冬の賞与について山北社長は「未定だが予算は計上しており、業績に応じて支給したい」と話した。23年春に入社予定の新卒採用も再開して、グループ全体で21年春と比べて2割多い約300人を見込む。

もっとも単価の高い海外旅行や訪日旅行は依然戻りが鈍い。秋以降に渡航制限・入国制限が解除されることを前提としても、新型コロナ禍前と比べて2~3割の水準を想定している。JTBによると前期の予約に占めるネット比率は4割と実店舗への依存は続いており、OTA(オンライン旅行予約サイト)と再び競争が激化する懸念もある。

KNT-CTホールディングス(HD)では個人向け店舗を新型コロナ禍前の3分の1以下にまで減らすなど、他社もネット強化や旅行以外の事業育成を急ぐ。人材の有効活用でどう差別化するのか、問われている。

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