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新生ドコモ、22年1月発足 法人向け非通信が主戦場に

日経ビジネス電子版

NTTドコモがNTTコミュニケーションズ(NTTコム)など2社を2022年1月に傘下に収める。データセンター、クラウドなど法人向けの「非通信」事業で競合を突き放す。今回の再々編は通信産業の競争が個人需要の争奪から法人開拓へ切り替わる節目となりそうだ。

「モバイル通信からサービス、ソリューションへ事業を広げ、通信を主力としてきた事業構造を転換したい」。ドコモの井伊基之社長は10月25日、NTTコムのほかシステム開発のNTTコムウェアを子会社化すると発表した。3社を合わせた事業規模は売上高6兆円、営業利益1兆円(2021年3月期)となる。

再々編の狙いの一つが、値下げ競争の激しい個人向けモバイル通信サービスから法人分野へのシフトだ。単純な通信回線の提供ではなく、データセンターやクラウド、セキュリティーなど「非通信」のサービスを拡大させる方針だ。

「正直に言ってドコモはDX(デジタルトランスフォーメーション)などに弱かった」と井伊社長。法人売上高から通信料金の収入を差し引いた「法人ソリューション」の金額を見れば、それが分かる。21年3月期は1133億円で、1973億円のソフトバンク、非開示だが2800億円前後とみられるKDDIに比べ劣勢だった。

統合によって構図は変わる。NTTコムは売上高1兆円のうち4割を非通信で稼ぐ。事業再編でドコモの法人ソリューション売上高は約7300億円に達し、KDDIの2.6倍、ソフトバンクの3.7倍となる。

営業部隊を一元化

統合によって企業はNTTグループと取引しやすくなる。例えば工場や商業施設で、カメラやセンサーなどIoT機器を導入する際、従来のNTTコム単独の営業では固定回線とWi-Fiの組み合わせを提案していたような案件でも、ドコモの5Gなどをその場ですぐ提案できる。今までは別会社のため調整に時間を要した。NTTコムの丸岡亨社長は「テレワークが進み、オフィスをベースにした固定回線のネットワークでは対応できなくなってきた」とも話す。企業の開拓にモバイル対応は不可欠という。

ノウハウの融合と組織の効率化に向け、22年7~9月期、NTTコムの営業にドコモの法人営業を統合する。競合は「ドコモとコムが一緒になるとさすがに手ごわい」と警戒する。

1985年の民営化でNTTが生まれ、通信市場では第二電電(現KDDI)や日本テレコム(現ソフトバンク)などが競争を繰り広げた。主にこの3社を軸に個人の携帯電話通信の需要を奪い合う時代が続いたが、今後はNTT再々編を機に法人ソリューションを競う時代になるはずだ。

井伊氏は「競合が持つ機能を我々はバラバラに持っていた。ようやく一体で提供できる」と話す。再々編で器は固まった。今後は、待ちの姿勢を改めて積極的に相手のビジネスに関わっていくなど、実行力が試される。

(日経ビジネス 佐藤嘉彦)

[日経ビジネス2021年11月1日号の記事を再構成]

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